GUIDE — 1-4
タイプ分類 完全解説
ギャップ読み(1-2)で組み合わせた数字を、5つのプレイヤータイプのどれかに写像します。 TAG・LAG・Nit・Station・Maniac——タイプが決まれば、対策(3-1)が一発で呼び出せる。 数字を「人物カテゴリ」に翻訳する、スタッツ読解の到達点です。
15タイプの座標 — 2軸で整理
タイプは参加の広さ(タイト↔ルース)×攻撃性(パッシブ↔アグレッシブ)の2軸で決まります。
| タイプ | 参加 | 攻撃性 |
|---|---|---|
| TAG | タイト | アグレッシブ |
| LAG | ルース | アグレッシブ |
| Nit | 超タイト | パッシブ寄り |
| Station | ルース | パッシブ |
| Maniac | 超ルース | 超アグレッシブ |
2スタッツ→タイプの写像表
| タイプ | 典型スタッツ |
|---|---|
| TAG | VPIP23 / PFR19 / 3Bet7 / AF2.5(全健全域) |
| LAG | VPIP32 / PFR27 / 3Bet10 / AF3.2 |
| Nit | VPIP13 / PFR11 / 3Bet3 / WTSD24 |
| Station | VPIP42 / PFR10 / WTSD38 / AF1.2 |
| Maniac | VPIP60 / PFR48 / 3Bet18 / AF4.5 |
見分けの鍵: VPIPで参加の広さ、PFR/AFで攻撃性。この2つを見れば5タイプのどこかに落ちる。WTSDが高ければStation方向、低ければNit/降りすぎ方向の補助情報。
3タイプ→対策の即引き
| タイプ | 基本対策 |
|---|---|
| TAG | 搾取点少。GTO寄りに戦い小ミスを待つ |
| LAG | ブラフ多い→ブラフキャッチ・押し返す |
| Nit | ベットは本物→降りる/スチール増やす |
| Station | バリュー厚く・ブラフ0 |
| Maniac | 粘ってブラフキャッチ・強い手で罠 |
タイプ分類の価値は対策の即引き。「Station」と分類できた瞬間、「バリュー厚く・ブラフ0」が反射で出る。分類は対策への索引です。
4実際の解き方 — 2軸を順に確定する
分類の途中式は①VPIPで参加軸 → ②PFR/AFで攻撃軸 → ③2軸の交点がタイプ。 WTSDやギャップは補助情報として最後に使います。
例1: VPIP60 / PFR48 / 3Bet18 / AF4.5
- 1.VPIP60 → 超ルース(50超)
- 2.PFR48・AF4.5 → 超アグレッシブ(AF4超)
- 3.超ルース × 超アグロ
- 4.境界判定: VPIP50超かつAF4超 → LAGではない
答え: Maniac=粘ってブラフキャッチ
例2: VPIP13 / PFR11 / 3Bet3 / WTSD24
- 1.VPIP13 → 超タイト
- 2.ギャップ = 13 − 11 = 2 → コールを挟まない
- 3.3Bet3・WTSD24 → 強い手しか出さない
- 4.超タイト × 選別型
答え: Nit=ベットは信じて降り、盗みは通す
例1をLAGと誤ると「押し返す」対応になり、Maniacの過剰ブラフに払いきれません。境界の定数(VPIP50超・AF4超)を通すだけで、この取り違えは消えます。
5ひっかけは、この3つ
- 罠1: LAGとManiacの混同
程度問題。VPIP50超・AF4超ならManiac、それ未満の攻撃型はLAG。対策の強度が変わる。
- 罠2: TAGに無理な搾取
全健全域=リークが薄い。無理に曲げると自分がミスする。『搾取点なし』も正しい結論。
- 罠3: サンプル不足で分類確定
3Bet/WTSDが揃う前に分類を断定しない。序盤はVPIP/PFRベースの暫定分類に留める(1-3)。
6上達のコツ
🎯 練習の進め方
- ・5タイプの座標(参加×攻撃性)と典型スタッツを対で暗記。特にManiac境界「VPIP50超・AF4超」は定数として
- ・分類したら必ず「→基本対策」まで口に出す(Station→バリュー厚くブラフ0、のように索引ごと覚える)
- ・Lv5の制限時間は13秒。VPIP→PFR/AFの2軸を見る順番を固定すると迷いが消えます
- ・タイプが即答できるようになったら、対策マッピング(3-1)でリーク単位の搾取へ進みます
7実戦でこう使う — 読みの圧縮と展開
タイプ分類は情報の圧縮と展開。 6つのスタッツを「Station」の1語に圧縮し、卓上ではその1語から対策を展開する。 記憶と判断の負荷を劇的に下げます。
ただしタイプは出発点であって終点ではない。 同じStationでも個別の癖(3-3複合リーク)があり、ポジションやティルトで変化する(Hand Reader 1-3)。 分類でざっくり掴み、そこから個別調整するのが実戦の流れです。
8境界例の扱い — タイプは連続体
5タイプはきれいに分かれるわけではなく連続体です。 境界の相手をどう扱うかが実戦の腕。
| 境界 | 見分けの目安 |
|---|---|
| LAG / Maniac | VPIP50超・AF4超ならManiac、それ未満はLAG |
| TAG / Nit | VPIP15未満・3bet低ならNit、20前後はTAG |
| TAG / LAG | VPIP28超・AF3超でLAG方向 |
境界例は「どちら寄りか」で対応の強度を調整する。Maniac寄りのLAGならブラフキャッチを厚め、TAG寄りのLAGなら控えめ。ラベルは目安、対応は程度で。
9一歩深く — タイプは変化する・動的なラベル
タイプは固定ではありません。同じ相手が状況で別タイプに動きます(Hand Reader 1-3と同じ)。
| きっかけ | タイプの動き |
|---|---|
| ティルト(負けが込む) | TAG→LAG/Maniac化(ブラフ・無理コール増) |
| ポジション | BTNではLAG、UTGではNit(同一人物) |
| スタック | ショートでタイト化・ディープでルース化 |
特にティルト検知は大きな搾取源。普段TAGの相手が急にルース・アグロ化したら、 スタッツの平均値ではなく「今の状態」に合わせて対応を切り替える。直近のハンドを重く見ます。
10実戦シナリオ2本目 — ティルトで動くタイプを追う
§9で「タイプは動的なラベル」と学びました。最大の搾取源は、タイプが変化する瞬間を捉えることです。 普段はTAGの相手が、大きなポットを失った直後——スタッツの平均でなく「今」をどう読むか。
平均TAGがティルトした瞬間を捉える
- 1.HUDの平均: VPIP23/PFR19/AF2.5 → TAG(全健全域)
- 2.直近の観測: バッドビート後、急にルースオープン・無理な3bet・大きいブラフ
- 3.平均のラベル(TAG)でなく、今の状態(LAG/Maniac化)で対応する
- 4.スタッツの平均値より直近のハンドを重く見る(§9)
答え: 今はManiac化 → 粘ってブラフキャッチ(平均TAG対応では搾取を逃す)
ここで掴んでほしいのは、タイプは「その人の平均」でなく「今この局面での傾き」だということです(§9)。 HUDのスタッツは何百ハンドの平均なので、直近のティルトはすぐには数字に現れない—— VPIP23のままでも、今この瞬間はVPIP50のManiacのように打っているかもしれない。 平均のラベル(TAG)に固執して「この人は堅実だから大ベットは本物」と読むと、ティルト中の過剰ブラフに降ろされて最大の搾取機会を逃す。 ティルト検知は大きな搾取源で、普段TAGの相手が急にルース・アグロ化したら、スタッツの平均値でなく「今の状態」に合わせて対応を切り替える。 §7のとおりタイプ分類は出発点であって終点ではない——6スタッツを1語に圧縮して基本対策を引き出しつつ、 ポジション・ティルト・スタックによる「今の傾き」で微調整する。平均で当たりをつけ、現在の状態で仕上げるのが、タイプ分類の実戦運用です。
11失敗例の解剖 — LAGとManiacを混同する
タイプ分類で対策の強度を狂わせる失点は、罠1(LAGとManiacの混同)です。 境界の定数を通さず分類する誤りを解剖します。
問題: VPIP58/PFR46/AF4.8の相手。『ルースアグロ=LAG、押し返そう』でいい?
- 1.この人の判断: 『ルースで攻撃的だからLAG、3bet/レイズで押し返す』
- 2.境界判定を飛ばした: VPIP50超かつAF4超ならManiac(§8)
- 3.VPIP58・AF4.8は明確にManiac圏
- 4.Maniacに押し返すと、相手の過剰ブラフ・過剰コールに払いきれない
答え: Maniac(粘ってブラフキャッチ)——LAG対応の『押し返す』では自滅
この誤りの本質は、「ルースアグロ」で大雑把に括り、境界の定数を通さなかったことです。 LAGとManiacはどちらもルース・アグレッシブですが、対策の強度が違う—— LAGには「ブラフキャッチ・押し返す」が有効でも、Maniacに押し返すのは危険。 Maniacは過剰にブラフし過剰にコールするので、こちらが押し返すと泥仕合になって払いきれない。 正解は「粘ってブラフキャッチ・強い手で罠」——受けて相手の暴発を待つ。 §4のとおり、境界の定数(VPIP50超・AF4超)を機械的に通すだけでこの取り違えは消える。 「ルースアグロ」という感覚的なラベルで止めず、数値の境界で LAG か Maniac かを確定させる。 §8のとおりタイプは連続体なので、境界付近こそ定数で線を引き、対応の強度(押し返すのか受けるのか)を正しく選ぶことが重要です。
12よくある質問
Q. 5タイプ、どう見分ければ速い?
2軸を順に見るのが最速です(§4)。①VPIPで参加の広さ(タイト↔ルース)、②PFR/AFで攻撃性(パッシブ↔アグレッシブ)、③2軸の交点がタイプ。 WTSDやギャップは補助として最後に。VPIP→PFR/AFの見る順番を固定すると迷いが消える。 5タイプは参加×攻撃性の2次元平面のどこかに必ず落ちるので、2つの数字でほぼ確定します。
Q. LAGとManiac、どこで線を引く?
VPIP50超かつAF4超ならManiac、それ未満の攻撃型はLAG(§8・罠1)。 程度問題ですが、この境界の定数を機械的に通すことで取り違えを防ぐ。 対策の強度が変わるのが理由——LAGには「押し返す」が有効でも、Maniacには「粘ってブラフキャッチ」。 Maniacに押し返すと過剰ブラフ・過剰コールに払いきれない。「ルースアグロ」で止めず、数値で線を引きます。
Q. TAG(全健全域)には搾取点がない?
薄いです。それが正しい結論です(罠2)。全スタッツが健全域=リークが薄い=『搾取点なし』も答え。 無理に曲げて搾取しようとすると、かえって自分がミスする。 TAG相手はGTO寄りに戦い、相手の小さなミスを待つのが正解。 「搾取できない相手もいる」と認めるのは負けでなく、無理な逸脱で自滅しないための規律です。
Q. タイプ分類の一番の価値は?
対策の即引きと、情報の圧縮です(§3・§7)。 6つのスタッツを「Station」の1語に圧縮し、卓上ではその1語から「バリュー厚く・ブラフ0」を反射で展開する。 記憶と判断の負荷が劇的に下がる。分類は対策への索引—— 分類したら必ず「→基本対策」まで口に出して、索引ごと覚えるのが上達のコツです。
Q. タイプは一度決めたら固定でいい?
いいえ、動的なラベルです(§9・§10)。同じ相手がティルトでTAG→Maniac化、 ポジションでBTNはLAG・UTGはNit、スタックでショートはタイト・ディープはルース。 特にティルト検知は大きな搾取源——普段TAGが急にルース・アグロ化したら、平均値でなく「今の状態」に合わせる。 タイプは「その人の平均」でなく「今この局面での傾き」。平均で当たりをつけ、現在の状態で仕上げます。
Q. 分類したら、そのまま対策を適用していい?
分類は出発点であって終点ではない(§7・§8)。 同じStationでも個別の癖(複合リーク3-3)があり、境界例では「どちら寄りか」で対応の強度を変える。 Maniac寄りのLAGならブラフキャッチを厚め、TAG寄りのLAGなら控えめ。 タイプでざっくり掴んでから個別調整するのが実戦の流れ。ラベルは目安、対応は程度で微調整するのが実力です。
